b-Freeアプリの利用シーン No.1

ただいま,b-Free プロジェクトでは,アプリの仕様作成フェーズです.この文章は,アプリの利用シーンをイメージしやすい物語にしたもので,開発者との意識合わせをする目的があります.

[車いすユーザーが外出先からアップロードする例]

電動車いすユーザーAさんのスマートフォンには,専用アプリがインストールされている.ひとりでの外出時は,いつも専用アプリをバックグランドで立ち上げているので,走行履歴が常に記録されるようになっている.アプリがよくできているのか,バッテリーの消耗はそれほど気にはならないらしい.

帰宅後に専用アプリで走行履歴をアップロードするのはいつものことである.これまで車いすで走行した道が専用アプリやWebですべて閲覧できるのは楽しいようだ.これまでAさんが通行できた膨大な経路履歴は他の多くの車いすユーザーからも閲覧できる.その経路履歴は,Google Map上にはっきりと軌跡としてしるされているのだ.何度も通った道は鮮やかな赤で塗られている.きっと,これまでのたくさんの経路情報はみんなの役に立っているだろう.

ところで,すべての移動経路をアップロードしたいかといえばそうではない.基本的には知られては困る行き先はないけども,自宅や友人の家などは個人情報に関わるので公開はしたくない.専用アプリなら,アップロード時に公開したくない経路だけを削除することも可能だ.こうして,Aさんはプライバシーを確保しながら,多くの人に役に立つ情報を日々アップロードしている.

専用アプリは,ちょっとした思い出作りの道具にもなる.目についたバリアフリースポットを,簡単な操作で写真に撮って位置情報とともにアップロード.専用アプリのマイページにはこれまでの写真や動画がびっしりだ.この一手間が誰かの役に立つと思えば,これくらいの手間は手間ではなくなる.しかも,自分の思い出アルバムにもなる.写真や経路情報に「いいね!」を押してくれる人がいるのも励みになっているようだ.誰かが見てくれたのが実感できるからだ.