b-Freeアプリの利用シーン No.3

[車いすユーザーが外出先の事前調査に利用する例]

Cさんはちょっと大きめの電動車いすのユーザーである.普通の手押し車いすで通れるところでも,Cさんの電動車いすでは通れない場所が多々ある.あともう一歩(?)なのに辿りつけない悲しさはもう何度も経験している.だからこそ,絶対に譲れない目的地がある時は入念な事前調査が欠かせない.

Googleストリートビューをひと通り確認して,お目当てのカフェの近くまでは何とか行けそうなことは分かった.ただひとつ心配がある.店内は十分広いのは友人から聞いていたので安心であるが,入り口近くの約3センチと思われる段差と間口の幅がどうやらギリギリのようなのだ.ストリートビューの画像解像度ではきちんと確認できないのがもどかしい.お店の人に聞くこともできるが,車いすの幅を知らせて調べてもらうのは何だか気がひけるのである.できれば,特別扱いを求めずに普通の客として行きたい.

そこで,専用アプリを開いて目的地のカフェを検索した.すると,心配だった入り口の詳細な写真と間口の幅がセンチ単位できっちり公開されていたのである.段差は,これまでの経験から十分に越えられそうだし,間口はあと2センチの余裕がありギリギリ大丈夫だということが分かった.誰が投稿してくれたか,投稿者名はニックネームだけなのでよくわからないが,すかさず「いいね!」を押して見知らぬ誰かに感謝した.投稿者名のリンクをたどると,投稿者のBさんはどうやら200箇所を超える情報を投稿しているようだ.きっと今日もBさんの情報は誰かの役に立っていることだろう.

目的のカフェでは楽しみにしていたパンケーキと美味しいコーヒーを楽しめた.この経験は自分だけモノにしてはもったいないので,車いす目線からの入り口の段差の写真と,ギリギリ通過している時の動画を撮影してその場で投稿した.おまけにパンケーキも写真もいっしょに.

数日後,この写真と動画に,車いすユーザーと思われる人からの「いいね!」が押されていた.Cさんの何気ない日常の経験も人の役に立つ.アタマでは分かっていたけど,実際に役に立ったと思うとやっぱり嬉しいもののようだ.